可愛い!?2018年アジア大会マスコット

2018年アジア大会はインドネシアの首都ジャカルタと南スマトラ州の州都パレンバンで開かれ、日本でも、東京オリンピックの前哨戦、予行演習的な意味合いで、盛んに報道されていましたよね。

このアジア大会のマスコットですが、極楽鳥のビンビン(Bhin Bhin)、シカのアトゥン(Atung)、そしてスマトラサイのカカ(Kaka)の3人です。

ビンビンは戦略性を、アトゥンは速さを、カカは力強さを象徴しています。

そして、ビンビンは、パプアのアスマット地方の模様をかたどったベストを着ているので、インドネシア東部を象徴しています。

アトゥンは、バティック柄の腰巻をしているので、ジャワを含むインドネシア中部を象徴しています。

そして、カカは、花柄のソンケットをあしらった襟巻きをして、スマトラを含むインドネシア西部を象徴しています。

Bhin Bhin, Atung, Kakaと並べると、インドネシアの国是ともいえる標語「多様性のなかの統一」(Bhineka Tunggal Ika)を表していることが分かります。

今回のこの3人、歴代のマスコットと比べても、サイコーに可愛いと思うのですが、皆さんはどう感じられましたか。

地震大国のインドネシア

皆さんもよくご存知のように、日本と同じく、インドネシアも地震が多く発生する国です。とくに、2004年12月のスマトラ沖地震、2006年5月のジャワ中部地震は、皆さんの記憶に残っていることでしょう。

▼世界の二大造山帯が交わるところ

インドネシアは、アルプス=ヒマラヤ造山帯と環太平洋造山帯の二つが交わる場所です。この二つの造山帯の名前は、学校の地理の時間に聞いたことがあることでしょう。

世界の最も大きな造山帯がこの二つで、その両方がある国は、世界中でおそらくインドネシアだけではないでしょうか。

アルプス=ヒマラヤ造山帯の東の端は、スマトラ島からジャワ島にかけて連なり、インドネシアの東部には、環太平洋造山帯が連なります。

▼地震がよく起こる地域

次の図は、インドネシアで地震がよく起こる場所を示したもので、赤い色のところが最も地震が起こりやすい場所とされています。

(出所)http://batamnews.co.id/berita-28173-indonesia-rawan-gempa-kecuali-daerah-ini.html

この図を見ると、インドネシアで地震がよく起こる地域は、インド洋側に面した地域と、スラウェシ島の北側とニューギニア島北側およびその両者に挟まれた島々、ということになります。

▼地震多発地帯に富士山型の美しい火山群

地震とともに、この赤いところには、多数の火山(活火山、休火山、死火山)が立地しています。怪獣映画に出てくるような、火山島ももちろんあります。

ジャワ島を旅すると、日本の富士山と同じような、コニーデ型の美しい形の山を見ることができます。これらの山々も、皆、火山です。

余談ですが、西暦535年、ジャワ島の西の島にあるクラカタウ火山が大噴火した際には、世界中に異常気象を引き起こしましたが、ペストの蔓延など、その後のヨーロッパでの様々な大変動の発端となる噴火だったと考える学者もいます。

近年は、こうした火山の活動が活発化してきており、毎年のように、火山の噴火による火砕流の発生、火山灰の飛散、住民の避難、交通機関への影響などが大きなニュースとなっています。

▼地震がほとんどない地域もある!

でも、もう一度、さっきの図をよーく見てください。緑色の部分は、地震がほとんど起こったことのない地域なのです。

それは、カリマンタン島(ボルネオ島)全般とスラウェシ島の南側、です。ジャワ島の北側にも若干そうした場所が見られます。

余談ですが、インドネシアに原子力発電所を作る計画が進められたとき、最初の立地候補地としてあげられたのが、そのジャワ島の北側のムリア半島でした。

▼地震のないカリマンタン島への首都移転論

地震がほとんど起こったことがないカリマンタン島は、東西に長いインドネシアの国土のほぼ中央に位置しています。そこで、そのカリマンタン島にインドネシアの首都をジャカルタから移転してはどうか、という話が根強くあります。

最初にそれを本気で考えたのは、1950年代のスカルノ初代大統領の時代でした。その候補となったのは、現在の中カリマンタン州の州都であるパランカラヤという町です。

当時は社会主義の考えが強く、ソ連の支援を受けて、パランカラヤを新首都とするための都市計画も構想されたようです。

近年、再び、ジャカルタからの首都移転が議論されており、その候補地として、パランカラヤをはじめ様々な都市が名乗りを上げています。