▼8月17日はインドネシア独立記念日?
インドネシアの独立記念日といえば、インドネシアの人のほとんどは、8月17日と言います。日本が敗戦を迎えた終戦記念日の2日後です。
独立記念日というと、あたかも、1945年8月17日に、当時のオランダ領東インドの全土で、独立を祝ったかのようなイメージがあると思います。でも、1945年8月17日にインドネシアの独立を知っていたかというと、実は、多くの人はその時点では知らなかったのです。
▼独立記念日ではなく、独立宣言記念日
正確にいうと、8月17日は独立記念日ではなく、独立宣言記念日なのです。すなわち、1945年8月17日、のちに大統領となるスカルノと副大統領になるハッタの名の下に、インドネシアの独立が宣言されたのでした。
独立宣言の文言は、次のような、とてもシンプルなものでした。
宣言
我らインドネシア民族はここにインドネシアの独立を宣言する。
権力委譲その他に関する事柄は、完全且つ出来るだけ迅速に行われる。
ジャカルタ、05年8月17日
インドネシア民族の名において
スカルノ / ハッタ
え、これだけ? という感じですよね。
▼日本軍の影響があった
よく見ると、1945年ではなく、05年となっています。これは、皇紀2605年を表していると見られます。1941年から占領してきた日本軍の影響によるものでしょう。
実際、この独立宣言を前に、1945年8月16日夜から未明にかけて、前田海軍少将の家でスカルノやハッタらを交え、独立宣言の打ち合わせを行っていたとされます。独立宣言を行なった場に、前田海軍少将ら日本軍関係者も同席していたという話もあります。
▼独立宣言の後、独立戦争
このあと、独立宣言がなされたということを、オランダ領東インドの全土へ広く伝えていくという段階へ移るのでした。そして、舞い戻ってきたオランダ軍との間で、1945〜1949年に独立戦争を戦うことになるのです。
真の意味でインドネシアが独立したのは、独立戦争終了後、国連が国家としての存在を認めた1949年12月27日、という解釈もあります。
ただし、インドネシアが1945年8月17日を独立の起点としたいという気持ちもよくわかります。
▼1945年8月17日は最初の独立宣言ではなかった?
しかし、実は、1945年8月17日が最初の独立宣言ではありませんでした。それよりもずっと早く、独立宣言がなされていたのです。それは、どこで、どのようなものだったのでしょうか。
この話は次回のブログで。